親企業に頼らない、自立した中小企業が少しずつ増えています。

変化しつつある自動車業界のピラミッド構造

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車業界のピラミッド構造

 

ピラミッド

日本には自動車関連産業が25000社あると言われています。
日本を代表する企業ごとに系列で分かれており、TOYOTA系列、日産系列、HONDA系列といった、メーカートップを頂点とした巨大なピラミッド型をしています。
日本の全就業人口の8.7%にあたる532万人が働いています。

 

1960年代からリーマンショックが起こる2008年頃まで、日本の自動車メーカーは一次、二次、三次と続く部品企業を従え、このピラミッド型の産業形態を維持し、徹底した生産合理主義のもと、品質の優れた車を大量生産して来ました。しかしそのピラミッドが崩れ始める原因を作ったのが、2009年、アメリカを代表する自動車メーカーGM(ゼネラルモーターズ)の経営破綻でした。

 

 

 

ピラミッドの崩壊

この頃から日本の自動車メーカーも、円高の影響や中国、インドといった国から続々と発売される低価格自動車の波に押され、じりじりと販売高が減少していきました。
もっとユーザーサイドの目線で、もっと品質の良い自動車を作ろう!日本の自動車メーカーの必死の努力と技術の結晶が、やがてエコカーと言われる低燃費車を生み出し、さらにそこから電気で動く電動自動車、水素と酸素を化学反応させて電気をつくる「燃料電池」を搭載したFCV車へと変化を遂げて行ったのです
日本人の自動車にかける熱意と努力が、更なる新しい自動車業界の幕開けを作ったといっても過言ではないでしょう。

 

しかし、その素晴らしい新たな自動車作りが、今までのピラミッド型経営に大きなヒビを入れるきっかけになりました。
今までの車の製造に使われる部品は1台につきおよそ3万点
しかし、新たに開発された燃料電池自動車に使われる部品はおよそ3000点と言われ、大量の下請け部品メーカーから仕事を奪う結果になりました。
さらに、国内生産よりもコストの安い海外生産に目を向け始めたメーカートップからの凄まじい値下げ交渉が、ちいさな中小企業の経営を苦しめ始めたのです。

 

 

 

下請け企業の生き残り戦略

親会社から切り捨てられ、日本に32000社あった自動車部品企業はバタバタと倒産し始めました。
東京の大田区でもピーク時に比べ中小企業数が3分の1にまで減少しています。

 

しかし、日本の産業を支え続けた素晴らしい技術や生産管理のノウハウは、日本以外でも通用するはずです。今では海外の日系や外資系の企業から直接受注を受け、日本国内で開発・生産する事で、親企業に頼らない、自立した中小企業が少しずつ増え初めています